「ちっちゃい頃からの友だちや近所の子らとも学校での話を避けてんねん!」と会話する子ネズミたちのイラスト

先生も友だちもおらんようになった

2025年、大阪市は廃止され、4特別区に分割。市民生活はどうなる?ファクトに基づくシミュレーションを近未来フィクションでお届けする。

学力偏重の教育では、“ニア・イズ・ベター”のメリットは生まれない。

「テスト、がんばりや。来年は入試やろ」という母の声に振り向きもせず、「うちの学校ではがんばっても知れてるわ」とため口を返してA子は家を出た。

彼女は家から一番近い中学校に通う3年生。数カ月後には高校入試だが、彼女が通う中学校でいい成績をとっても、チャレンジテストでの学校のランクが低いため、入試には不利だ。

ポイント

チャレンジテスト

中学生チャレンジテストは府域で実施されている。学校のランクが生徒の内申点に影響する制度のため、「低学力の学校」ではいい点数を取っても評定が上がらないシステムになっている。

去年のチャレンジテストでは特別区の中でA子の区の成績が一番低かった。そこで区長が学力向上のためと称して今年から「学校選択制の拡充」を実施した。

ポイント

学校選択制の拡充

大阪市で2014年度から導入された、同一行政区内で自由に就学先を選択できる制度。学校は「特色ある教育活動」を競わされ、子どもや保護者は商品のように学校を選ぶ。そのため、学校間の競争や格差の固定化が生じる。これでは公教育とは言えない。

学校選択の範囲を広げ特別区内ならどこでも選べるようになり、途中の学年からの転校もできることになった。おかげで親友のB子は、親の勧めで今年から区内では成績のいい中学校に転校してしまった。「バスと地下鉄で1時間近くかかるねんよ」とぼやいているが、受験には有利だ。

今年の4月にはもう一つ悲しいことがあった。大好きだった英語のE先生が退職したのだ。本当かどうかわからないが、成績のいい隣の特別区に引き抜かれたという噂だ。

好きな先生も親友も学校からいなくなった。

「どこが“ニア・イズ・ベター”やねん」

と吐き捨てると、A子はかじかむ手に息を吹きかけ学校への道を急いだ。

大阪市のままなら…

“ニア・イズ・ベター”の背後にあるのは地域コミュニティの重要性。地域の小中学校はそのシンボル的存在。学校選択制の広がりは、その地域を根底から崩してしまいます。「都構想」で大阪市を分割しても同じこと。大阪市を残し、行政区や小中学校区への教育の分権を進めた方が、子どもを育む地域の再生につながります。

この記事は、大阪と自治と未来を結ぶ会様に寄稿いただきました。
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私たちについて

私達「REAL OSAKA(リアルオーサカ )」は、正確な情報をみなさんにお届けし、正しい判断をしてもらうために結成したプロジェクトです。

大阪市を解体するような大変重要で大がかりなことを、十分な議論と正確な情報が与えられないまま、判断を求められていることを危惧する有志の集まりです。

私達と同じように問題意識を持つ市民や団体が、多くの方に発信して頂けるように、自由に使えるロゴデータなどを制作し発信することに致しました。いずれも、皆様の名の下に配布・利用を頂けるものです。

なお、私達自体は特定の政党や候補者を支持する政治的目的はございません。(当サイトのクリエイティブを利用した皆様の活動におかれましてはこれを制限するものではありません)

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