「大阪都構想」は大阪市を廃止して、4つの「特別区」をつくる制度。現在の大阪市の24区を4つに組み替えるものではありません。

特別区の自主財源は大阪市のときの3分の1になり、この2,300億円をさらに4つの特別区で分けることになります。

大阪市から特別区になると水道、消防をはじめ様々な権限が大阪府に移り、独自の都市計画もできなくなります。

特別区から選ばれる府議会議員は3割、残りの7割は府内の市町村から選ばれ、多数決では不利になります。特別区民の声は議会に届きません。

市が市民ニーズに対応するために、独自の判断で使えるお金を「裁量経費」といいます。特別区になると、市民のために使える「裁量経費」が激減し、市民サービスは低下します。

4つの「特別区」合計で職員を最低でも330人増やす必要があります。当然人件費も増え、現在よりも年に21億～25億円以上ふくらみます。

特別区庁舎がないため「新・淀川区」の職員の8割、「新・天王寺区」の職員の5割が合同庁舎（新・北区役所）に配置されることになっています。

特別区間の格差も大きな問題です。大阪市のときは同じサービスを受けられたのに、特別区では同じサービスを受けられる保証はありません。

維新の会のビラで旧住所で郵便物は届くと主張していますが、「住所印」「封筒」「看板」「名刺」「各種届出」「登記」「カーナビ」、「名簿・顧客システム」などの変更は、基本自己負担です。

都構想の設計図である「協定書」には大阪の経済を成長させるための計画は何も書かれていません。

新型コロナウイルスの影響で市民が大打撃を受けている今こそ、大阪市の貯金を使って市民の生活を支えるべきです。

一般市から中核市や政令市に変わる際には住民投票は必要ありません。特別区にするために住民投票が必要なのは、リスクがあるからです。特別区になってから後悔しても、「住民自身が決めたこと」にしてしまうためです。