「カラダはたいそう元気やけど、ココロはお姉ちゃんのことで…」と考えながら体操している猿のイラスト

大阪市のときは、どの区も一緒やった。

2025年、大阪市は廃止され、4特別区に分割。市民生活はどうなる?ファクトに基づくシミュレーションを近未来フィクションでお届けする。

特別区の税収差が介護・福祉などのサービス格差を生む

「じゃあまたあした!」と元気に手を振って「いきいき百歳体操」のインストラクターと別れ家路につく。初代の北区長さんは介護予防にとても熱心で、家の近くの老人憩いの家でいろんな介護予防のための教室が開かれるようになった。

おかげで健康を維持できるだけでなく、友人も増え一人暮らしも寂しくなくなった。「都構想もええやん」と笑みが漏れる。

しかし、彼女には一つ心配事ができた。それは同じく一人暮らしの姉のことだ。昔の平野区、いまの特別区でいうと天王寺区で暮らしている。

姉も近所の老人福祉センターのいろんな教室に通うのを楽しみにしていたが、去年から大幅に事業が縮小されたのだ。

天王寺区は高齢者が多いうえに税収が少ないため、要介護高齢者対策に力点が置かれ、元気な高齢者へのサービスまで手が回らないという。最近の姉は足腰の痛みを訴え、元気がない。

ポイント

高齢者が多いうえに税収が少ない

天王寺区の65歳以上人口は27.4%で最多。一方、特別区の自主財源の柱となる個人市民税は淀川区に次いで低い。介護予防は特別区の事業のため、高齢化率や税収がサービスの差に直結する。

「北区は介護予防事業に取り組み、介護給付も減ってきました。なのに介護保険料は高いまま。私が区長に再選されたら、介護保険の一部事務組合から脱退します!!

スピーカーから大きな演説の声が響く。二度目の区長選挙が近い。区長の言い分もわからなくはないが、姉のことが気にかかる。

ポイント

介護保険の一部事務組合から脱退

介護保険は一部事務組合で担うため、保険料は4特別区とも同じ水準。一方、介護給付は要介護高齢者数や介護予防の成果などで区間に差が出る。コストがかかるため脱退も容易ではない。

「大阪市のときは一緒やったのに…」

笑顔が消え、ため息に変わる。

大阪市のままなら…

大阪市は高齢者福祉計画と介護保険事業計画を一体的に策定し、市内66カ所に設置する地域包括ケアセンターを核に、どの生活圏域に住んでも同じ水準の医療・介護・福祉等が提供できる基盤整備を進めています。しかし、特別区の税収格差や介護保険の一部事務組合化で、その行方が心配です。

この記事は、大阪と自治と未来を結ぶ会様に寄稿いただきました。
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私たちについて

私達「REAL OSAKA(リアルオーサカ )」は、正確な情報をみなさんにお届けし、正しい判断をしてもらうために結成したプロジェクトです。

大阪市を解体するような大変重要で大がかりなことを、十分な議論と正確な情報が与えられないまま、判断を求められていることを危惧する有志の集まりです。

私達と同じように問題意識を持つ市民や団体が、多くの方に発信して頂けるように、自由に使えるロゴデータなどを制作し発信することに致しました。いずれも、皆様の名の下に配布・利用を頂けるものです。

なお、私達自体は特定の政党や候補者を支持する政治的目的はございません。(当サイトのクリエイティブを利用した皆様の活動におかれましてはこれを制限するものではありません)

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私たちの意思は、ただそれだけです。

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