市営住宅が危ない!特別区に移管される市営住宅 特別区間の格差がすすむ

いま、約11万戸の大阪市営住宅(府営含む)に、約20万人の大阪市民が住んでいます。大変な規模です。「都構想」が実現すると、市営住宅はどう変わるのでしょうか。まず「市営」という名称は消え、「区営」つまり各特別区が運営する公営住宅になります。でも変わるのは名前だけではありません。
公営住宅の運営には入居者募集や住宅の維持管理、建て替えや大規模改修など多くの仕事があります。これまで大阪市が担ってきました。都構想になると各特別区が担います。当然、特別区の財政状況で仕事ぶりに差が出ます。特別区によっては建て替えや適切な維持管理が困難になるかもしれません。その危険性をレポートします。

住宅戸数や入居率の違いが住宅経営に格差を生む原因に

特別区別の公営住宅の戸数を示す円グラフ 人口に占める入居者の割合を示す棒グラフ

大阪市営住宅を住宅戸数について見れば、区によって偏りがあります。特別区に分割されると、その偏りが区営住宅の戸数の格差になります(グラフ1)。人口に占める市営住宅入居者比率では淀川区が10%弱でトップですが、特別区の間で、かなりの格差になることがわかります(表1)。また近年、市営住宅の「空家」問題も深刻化しており、空家が増えると家賃収入が減り、公営住宅の経営は苦しくなります。

公営住宅の家賃収入が住宅経営に大きな影響を与える

特別区別の公営住宅の戸数と家賃単価を示す棒グラフ

住宅管理は家賃収入で賄われます。しかし、公営住宅の家賃は公営住宅法で定められており、例え特別区の財政が厳しくなっても一方的に家賃を値上げすることはできません。市営住宅の家賃は8段階に分かれていますが、全体の約8割が一番安い1段階となっています。また空家問題では、住之江区、平野区、東淀川区は増える傾向にあります。

深刻化する老朽住宅問題 建替え費用が特別区財政を直撃!

大阪市営住宅の建替予定戸数と老朽住宅数の比較(表3)

まず、表3をご覧ください。左の「建替予定戸数」は2025年度までのものです。公営住宅は建設時に費用の2分の1を国から補助されますが、それ以外は自治体の借金となります。「都構想」では借金の返済は、市営住宅の建物を引き継ぐ特別区が担うことになっています。淀川区や天王寺区では2025年度までに多くの市営住宅を建替えるため、大きな借金をかかえることになります。

図で見る特別区の格差

各特別区の収入格差や抱える課題を補うための財源が不安視されています。

特別区ごとの総生産額 特別区ごとの個人市民税額を示すグラフ 特別区ごとの生活保護受給者数を示すグラフ 特別区ごとの高齢者割合
各区の格差は生活サービスの格差に
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大阪市を解体するような大変重要で大がかりなことを、十分な議論と正確な情報が与えられないまま、判断を求められていることを危惧する有志の集まりです。

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