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コロナと飲食店

今、本当に都構想は必要でしょうか?
コロナ禍の中、市民の暮らし・命が脅かされる状況が今なお続いています。REAL OSAKA(リアルオーサカ)は、現場で対応にあたっている人達から現状に苦しむ人々の声を集めました。第4回目は飲食店経営者の方にお話を伺いました。

    もくじ

  1. コロナで店が受けた影響
  2. アルバイト従業員や仕入れ先などへの影響
  3. 飲食業へのバッシングについて思うこと
  4. 経営の厳しい中、工夫してきたこと
  5. 国や大阪府の支援策について活用できましたか?

コロナでお店はどのような影響を受けましたか。

厨房の写真 夜の時間帯はお客さんも集まらず、厳しい状況が続いた

創業して4年2ヶ月で、創業当初からテイクアウトはしていたのでコロナの第1波が来た時はある程度は対応できました。テイクアウトを続けていて助かったと思いました。

店内ではなくテイクアウトのお客さんがほとんどだったのですが、ランチのお客さんの数はコロナ前とは変わらずに済みました。でもランチはそれで良くても夜がガラガラになりましたね。

うちはカウンターメインの店だけど、どちらかと言うとお一人様のお客さんが多くて、静かにご飯食べてサクッと飲んで店を出るみたいなかんじなんで、立ち飲み屋のようにわぁ〜っと活発にみんなしゃべる店ではないんですよね。

特に影響があったのは3月、4月あたりで、休業補償とか支援金の話も遅かったとは言えあったので周りの飲食店も含めなんとかそれで耐えていたという感じでした。

で、ゴールデンウィーク明けたあたりからお客さんも戻りはじめてたんですが、それでもグループのお客さんが一向に来なくなっていて、どうやら会社からNGが出ているところもあったようで行きたくても行けないということもあったようです。

もし感染でもしていたら会社にもお店にも迷惑がかかるからって・・・

6月から8月、近隣の飲食店はもうみんな「暇、暇、暇、暇」というかんじでしたね。
特に大きな店ってあまり一人で行かないじゃないですか、かなりキツかったみたいです。

私の店のような小さい店だと常連さんが「なんとか頑張れよ」ってかんじで1人、2人、3人来てくれたらなんとなくまわってるように見えるけど、蓋を開けたら実情は悲惨という感じでした。

アルバイト従業員や仕入れ先などへの影響はどうでしたか?

うちのバイトはみんな本職があってうちにも来てくれてるんですが、経営状況が悪くなったから来ないでくれとかそんな不義理なことはしたくなかったし、来てくれる方が助かるのでランチバイトはみんなそのまま来てもらっていました。ただ電車移動が怖いと申し出のあった人には休んでもらうことはありました。

とは言っても、移動があろうがなかろうが人が集まる形態の業種は感染への不安はつきもので、みんな怖いけど働かなあかん、みたいな状況でしたね。

仕入れ業者も本当に大変だと思います。普段電話もかけてこない八百屋さんの社長から余ってる野菜を買ってほしいと電話がかかってきたり、お肉屋さんも報道にもあったように和牛がとにかく売れなくて、うちでも、お肉屋さん救済キャンペーンをやりますってことで和牛の詰め合わせを店で販売して家に買って帰ってもらったり、そんな協力をしていました。

SNSで宣伝したら、お肉屋さんが大変だってことみんな知ってたこともあって何人も買いに来てくれて。お肉屋さんがすっごい喜んでくれてね、配達の人がうちの玄関で泣いてました。

こういう時こそ連帯せなあかんなって思ったのですが、お肉屋さんの方でもノルマみたいなものがあったのかな。うちに貼ってあるキャンペーンの張り紙を見てポロポロ泣き出してね、あの時はたまらなかった。

飲食業へのバッシングが全国でもありました。

うちのお客さんはほぼみんな「吉村さん(大阪府知事)頑張ってるねー」って言ってるんですよ。

たしかに大阪モデルなどの指針を作って呼びかけたり、毎日のようにメディアに出たり、記者会見でも質問にはちゃんと答えてるし・・・でもそれ仕事やしね。

私は吉村さんいいなって思えなくて、大阪で緊急事態宣言が出された時に飲食店は夜8時までの時間短縮の要請があって、それを守ったら協力金を出すということだったんですが、夜8時以降営業して協力金をもらう人が出ないように見かけたら通報することが呼びかけられました。

それに対して維新の議員さんも通報を呼びかけるツイートをしたりしてね、自粛警察みたいな人が現れて、実際通報された店もあって、保健所の人がいきなり来たりして。

協力金もらってもその金額ではやっていけない店も多いし、私はシャッター閉めて内々で静かに営業してる店を吊し上げて否定する気にはなれないし、そんな自粛警察みたいなものを増やしたのは誰ですか?ってお客さんに言ったら、確かにそうだなって納得するんですよ。

経営の厳しい中、工夫してきたことについて聞かせてください。

厨房の写真 テイクアウトの資材は在庫があったので、品薄になっても対応できた

私は恥を捨ててSNSを使って救済を求めました。周りの飲食店も一切やってなかったと思うのですが、コロナの影響で店の経営状況が悪いのでお客さんよろしくって投稿しました。

個人事業主で代表やってたら「店に来てください」なんてお願いしづらいし、経営状況が厳しいなんて姿あまり見せたくないです。でもお肉屋さんとも一緒に頑張ろうと思っていたし、訴えないと実情って伝わらないと思うんです。だから「やばいんです。」って言いました。

そして店内には「飲食後のご滞在はご遠慮ください」って貼り紙もしました。「ご存知のとおり当店もコロナウィルスの影響を受けてしんどいです」とも書いて。

一人でも多くのお客さんに来てもらわないとダメなので、回転数をあげるためにもご協力くださいって訴えました。

SNSにアップする時、すごい緊張しました。勇気を振り絞って投稿しましたね。
他のお店も同じようなことをすればこんな時期だしパッと来店して食べてすぐに出るみたいな習慣ができるかなと思ったんですが、追従する店はありませんでした。

今思えば、この方法が自分の店を守るのに一番効果があったと思っています。
他の対策としては、もともと使っていたテイクアウトの資材のストックがあったのもよかったです。とにかく品薄状態だったので。

国や大阪府の支援策について活用できましたか?

調理中の写真 家賃支援給付金は該当しなかったので、売上減でも営業を続けることになった

持続化給付金の発表が遅かったし、着金も遅かった。他の国ではコロナの影響が出だしたらスピーディに補償金が出てたじゃないですか。それに大阪府の休業協力金も休業の要請期間が始まる直前まで補償金額が決まってなかった。つまり休業を求められてもそれでやっていけるのかどうかの判断がギリギリまでつかない状態。もっと早く決定してくれないとみんなどうしたらいいの?という状態でした。

家賃支援給付金については、2種類があって5月の売り上げが昨年の50%減か、5月以降、12月までのうち連続3ヶ月間で30%売り上げ減かという条件があったのだけど、うちはオフィス街だからゴールデンウィークのある5月はもともと売り上げが低いので、周りの店舗も含めて該当しない店が多かった。

なんで5月だけで他の月ではだめなのか、3ヶ月連続の売り上げ減にしたって、5月からだと結局7月まで営業を続けないといけない。今まさに、売り上げが減ってお金なくて困ってる時にさらに営業を続けなくてはならないなんて。

家賃支援給付金なんて申請してもいまだに音沙汰なしですからね。

4月のお金が手元に入ってこない時期に家主であるオーナーに直訴しに行ったんです。話をよく聞いてくれる人なんですが家賃については経営上の事情から待つのは待つけど、安くするなどの対応は難しいと言われました。それでも待ってもらえただけでも有り難かった。

私たちもね、やっぱお店閉めたかったんですよ。感染も怖かったし。だからいっそ緊急事態宣言で海外のようにロックダウンして国民一人一人に対して給付金をしっかりと払う。それがあればリスクを抱えて店を開ける必要もないでしょ。同業の人ともそんな話をしていました。

今回のコロナの影響で、政治や行政の仕事について店で話しやすくなりました。普段から私はお客さんとも政治の話をしてるんですが、政治批判もしやすくなったという実感があります。
生活の話として考えるきっかけになっていると思います。

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私たちについて

私達「REAL OSAKA(リアルオーサカ )」は、正確な情報をみなさんにお届けし、正しい判断をしてもらうために結成したプロジェクトです。

大阪市を解体するような大変重要で大がかりなことを、十分な議論と正確な情報が与えられないまま、判断を求められていることを危惧する有志の集まりです。

私達と同じように問題意識を持つ市民や団体が、多くの方に発信して頂けるように、自由に使えるロゴデータなどを制作し発信することに致しました。いずれも、皆様の名の下に配布・利用を頂けるものです。

なお、私達自体は特定の政党や候補者を支持する政治的目的はございません。(当サイトのクリエイティブを利用した皆様の活動におかれましてはこれを制限するものではありません)

また、同プロジェクトに参加するメンバーの氏名や活動拠点の所在地は、非公開とさせて頂いております。名前を公表することで、真意はどこにあるのか詮索され、誹謗中傷や攻撃にさらされることを私たちは怖れています。メンバーは普段、会社員であったり、クリエイターであったりと様々ですが、大阪を愛する一人の有権者として、いま目の前に提示されている案を真剣に考えよう、そのことを発信するためのプロジェクトです。

私たちの意思は、ただそれだけです。

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